岡崎統合バイオサイエンスセンターリポート2008

岡崎統合バイオサイエンスセンターリポート2008の刊行にあたって

本センターは、発足以来8年目を迎える。私自身前任地より10余年前に岡崎の地へ移って以来、ほとんどの時間を統合バイオで過ごしたことになる。新設だ新顔だと思っていても結構長い時間が経っているのだと改めて痛感する。そして2回目の巻頭言を書くことに深い感慨がある。前回にも書いたことだが、学術センターとしてはかなり新陳代謝の早い組織ではなかろうか。昨年も教授が一人去り、後任の教授(岡崎3研究所初めての女性教授)がすでに赴任。長らく不在であった準教授席ももうすぐ埋まろうとしている。

統合バイオサイエンスセンターの前に岡崎の名を冠するようになった経緯は、初代のセンター長を引き受けた私の強い希望(岡崎市とのつながりと固有名詞によるブランド化への期待)によるものであった。いつか岡崎と言ったらこのセンターを指すようになってほしいと願ってのことである。そのことを形に現したく、2008年の生理研国際シンポジウムを私が担当した折に、統合バイオサイエンスシンポジウムとの連携を図った。11月中旬4日間の会期の内前3日間を生理研国際シンポ、1日重複させ後の2日間を統合バイオシンポとした。延べ120人参加、その内約40内が海外からであった。国内外に統合バイオの名は轟いただろうか。こうした試みは、是非来年も続けてほしいと思っている。

センターの独自性とセンターへの求心力を高めるための工夫はいろいろと可能だろう。たとえば2年前より客員教授と客員準教授を既存研究員とカップルさせ、共同研究的色彩を工夫したが、これは予想以上にうまく機能したように思う。こうした方向をさらに発展させていきたい。今年のリポートにも見られるように一人一人の研究成果には、目覚ましいものがあり、統合バイオの将来は明るい。研究能力ある力強い個人に支えられた統合バイオをみんなで形作っていきたい。

第4期センター長 永山 國昭