岡崎統合バイオサイエンスセンターリポート2005

岡崎統合バイオサイエンスセンターリポート2005の刊行にあたって

岡崎統合バイオサイエンスセンターは、2000年4月に岡崎国立共同研究機構の共通施設として設立された。国立大学共同利用機関法人発足後は、自然科学研究機構の共通施設となり今日に至っている。岡崎には、分子科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所の3つの研究所があり、その各々はそれぞれの分野において最先端の研究を展開してきた。岡崎統合バイオサイエンスセンターは、これら3研究所に属する研究者が「研究所の枠を超えた新たなバイオサイエンス研究を行う」ことを目指して集う組織である。3つの異なる研究所に片方の足をおく研究者たちが、ある目的のもとに一つの組織を作るということは、極めてユニークなことであり、このような組織が有意義に機能するのかどうか、多くの方々が固唾を飲んで見守っておられることと思う。そして、我々岡崎統合バイオサイエンスセンターに所属する研究者にとって、この組織をどのように活用し、研究の創造性をどのように高めていくかということは、とてもやりがいのある、また時として困難にも直面する課題である。

幸いなことに、本センターの研究のアクティビティーは極めて高く、世界をリードする数々の成果がすでに生み出されている。それは、このリポートにある2005年度の成果を読んでいただいてもお判りになることだろう。そのような意味において、設立5年余りを経過した本センターは、申し分のないスタートを切ることができたと自負している。

これからは、研究分野間、研究所間の連携・交流の重要性が以前にも増して強く求められることになると思われる。岡崎統合バイオサイエンスセンターは、まさにそのような連携・交流を行う場であり、本センターの持つ意味もこれからますます高まっていくことであろう。個々の部門のアクティビティーの高さをベースにして、いかにして分野間の連携・交流をより実のあるものにしていくのか?大いなる実りを目指して、我々岡崎統合バイオサイエンスセンターに集う研究者は、さらなるチャレンジを続けていこうではないか。

高田慎治 (平成17年度センター長)