核内ゲノム動態研究部門基礎生物学研究所

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研究内容

宮成 悠介 (特任准教授)

研究内容

私たちの生命は、たった1つの受精卵からスタートします。 受精卵が細胞分裂を繰り返す過程で、個々の細胞の運命が決定され、最終的には生体内の様々な組織を形成します。私たちは、その細胞の運命決定のメカニズムを解き明かそうとしています。特に、運命決定が行われる過程で核内のゲノム構造がどのように変化し、クロマチンが「動く」ことがどのような役割を担っているのかを、マウスの初期胚やES細胞などを使って研究しています。

ヒトを含む様々な生物種のゲノムDNAの塩基配列の全容が明らかとなり、細胞特異的なエピゲノム情報も蓄積されつつあります。最近では、核内におけるクロマチンのローカルな3次元構造が転写を含むゲノムの機能に重要な役割を担うことが明らかとなってきました。この膨大なゲノム情報はクロマチン繊維として数μmの核に絡み合うことなく収納されており、その立体配置をもったゲノム核内構造は高度に組織化されています。生体内に存在する様々な細胞はそれぞれ特異的な「核内ゲノム分布」を有していることから、細胞特異的な核内ゲノム構造はその表現形に大きく関与していると考えられますが、その全容は明らかになっていません。
私たちは、マウスの胚発生過程の核内で何が起きているかをイメージングすることにより、細胞の運命決定の謎に挑みます。

Select Reference

  1. Miyanari Y. et al, Live visualization of chromatin dynamics using fluorescent TALEs
    Nature Structural & Molecular Biology, 2013
  2. Miyanari Y, Torres-Padilla ME.
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